第508回 お話伺いメモ 2010/6/12
外国人の若い女性。震災時は近くのマンションにいた。近所の方も被災に遭い困っていたという。現在の家賃は○万円。毎年上がるため不安で困ると話し手くださった。ボランティアに対してかなり強い警戒心を持っていたように感じられました。「それを聞いてどうするんですか?」とたびたび聞かれたとき、ボランティアとしての自分の立ち位置を改めて考えさせられました。
70代女性。一人暮らし。東灘区で被災し、借家だった自宅は半壊。当時も独り暮らしであった。ご自身は手を切る怪我をしたが、近所で亡くなられた方はいなかった。しかし、家がつぶれてたいへんな人が多かったという。火事は長田区がひどかったが、家が壊れたのは東灘区が大半であるとのこと。震災直後は近所に住む娘さんのところへ行き、それから小学校で3〜4日ほど避難生活を送る。その後は東京に住む山男の息子さんが水や食料をリュックに背負って来てくれた。その際奥様は自転車で、息子さんは徒歩で西宮北口から歩いたという。当時は北口まで電車が続いていたが、すごい道であった。震災後は東京で一時暮らし、近い市で1年半ほど部屋を借りて住み、この公団へ来た。この間、仮設に住むことはなかったという(当時、60〜70代が優先的に入りやすかったことと、倍率がすごかったことが背景にある)。現在の家賃は月に6万円ほど(昔は1万ほどの市の補助があったが現在はなし)。ここでの付き合いは2人。親しい方たち以外とは特にお付き合いはないが、老人会には入っている。公団ができてから入居しているため、10年ぐらい住んでいる。困っていることはないか尋ねると、電気の取り換えなどが危なくて一人ではできず、放置したままの状態であると話してくださいました。
60代女性。一人暮らし。西宮市で被災しました。家は全壊です。すぐ近くまで火事が近づきました。その時大家さんが家の下敷きになり亡くなりました。本当に痛ましいことでしたと話して下さいました。お子様は娘さん2人。被害の少ない地区でそれぞれ独立しておられたので助かりました。震災前から一人暮らしとのこと。避難所は近くの小学校に入りましたがガスが漏れているとのことで大急ぎ又近くの中学校に移りました。どうしたものかと思っているところ娘さんの御主人が4駆に乗って連れに来て下さったとか。嬉しかったですよと云われました。それでも近くに女子寮が空いているとかでここが出来上がるまで4年ほどですが入居させて頂けました。この住宅には出来上がってすぐの入居で11年おります。定年後も働いていたのですが両手を骨折して、金具が入っているそうですがその時退職しました。去年9月かかとの骨折でそこにも金具が入っているそうで、「でも杖なしでここまで歩けるようになりました」と本当に若々しく明るい表情で云われました。不安なことはありませんか?とお尋ねしますと「やっぱり一人暮らしですからね。娘たちには毎日電話してよ」と云っています。お家賃の心配はと云いましたところ「始めから覚悟はして入っているのであまり心配していません。共益費と合わせ70,000円ほどですが近くに買い物もでき、充分生活としてはいいところです。家賃が上がればその分何かを節約すればいいし…」とこちらがびっくりするほど御若く明るい方で、かえって私たちが元気を頂きました。
第509回 お話伺いメモ 2010/6/26
60代女性。入居して10年の夫婦。御主人は70代で奥様は60代。震災は灘区で半壊でした。近所は大変な被害を受けて、火事がないだけましでしたと言われました。半壊の家にまだ住めましたのでそこにしばらくおりましたが、水が不自由で近くの公園まで水を汲みに行くのが大変でしたと、御歳に見えない御若い笑顔で答えて下さいました。色々ありましたが東灘の方に賃貸で4年ほどいまして、この公団には10年前引越して来られたそうです。笑顔を絶やさない方で、私どもの小さい質問に答えて下さるとき「世の中には色々とありますね。一つ終えると次に又何か起きて一寸先は闇ですね」と。「この住宅が当たりました当時は不自由でしたよ。今ではとても便利で公団は気楽ですが、お家賃がね」。近所づきあいもこのフロアーはよそよりコミュニケーションが取れているといわれ、御主人はガーデニングを楽しんでおられるとか。「下にいますよ」と言われて下をのぞきましたが高いところは怖いですね。「何か今後のことについて心配事などがございますか」とお聞きしましたが、「別にないかなぁ」と言われながらも又「一つ解決すると次々と何かが起こりますでしょう。でも今まで何とか乗り越えてきましたし、先の心配してもしょうがないし」と言われました。「何より2人元気で毎日が過ごせているのを感謝してます」と。今は駐車料込みで10万円強ですが「もし私一人になったらもう少し小さいところに引っ越しますよ」と終始笑顔で話されている言葉から、私たち方が大いに元気を頂きました。
70代女性。一人暮らし。『中央区で被災し、自宅は全壊。現在の健康状態は良好(毎朝5時半に起床し、散歩と体操を日課にしています)。一人暮らしゆえ、皆様のお世話にならぬようにと日々健康には気をつけていますが、何時どのようなことが起きるかわかりません。先の心配ばかりしていても仕方ないことなので、毎日元気に明るくをモットーとして生活しています(その折には皆様にお世話になることでしょう)。年金暮らしの我々には市税、公共料金が高くて負担に思います。今少し余裕のある生活ができればと願っています。』この女性の話は記入シートに書かれていた内容をまとめたものです。訪問した際、客人が来られているということから直接お話しを伺うことは叶いませんでしたが、2回の訪問とも快く対応して下さった他、シートの始めには「ボランティア御苦労さまです」と、ねぎらいの言葉を書いて下さっていました。見た目よりも御若く、とても明るい印象を受けました。