毎週の仮設住宅訪問からプライバシー保護を考慮して週末ボランティアでまとめたものです。
(担当はお伺いしたボランティア、自筆は仮設住宅の方が直接書かれたものです。)
1997.2.1 訪問
- 前、住んでいた灘区に固執せず、「西区で世話になっているのだから・・・・」と前向きな意見が聞かれました。しかし、行政への不満は日頃から感じており、「妥協してしまうのが日本人の悪い癖や」など、憤りの声が・・・。ご主人は初め遠巻きな様子でしたが、だんだんうちとけていろいろ話しをしてくれました。(66才、二人暮らし、担当:木村(茂)、松本)
- せっかく仲良くなった人も引っ越してしまった。1日2回は体を動かすようにしているが・・・、脳梗塞で物覚えが悪くなった(歌が思い出せない)。娘さんに「前向きな考え方をしなさい」といわれる。わかってもふさぎがちになる。この間、カーテンを付けようとして椅子から転げ落ち、肋にヒビが入った。年がいって体が制御できなくなり情けなくなる。(70才、独り暮らし、担当:林、多谷、松井)
- この間、市の人が訪ねてきてくれた(市へ電話を入れたため)。結局自分が動いて役所に出向くしかない。只今、自分で新聞などを読んで勉強中(高齢者に対しての融資の件について)。奥さんは自力で家を再建しなければならないという事で精神が張りつめている。気持ちが休まることがない。(75才、二人暮らし、担当:多谷、林、松井)
- 歩けば食欲あるが、動かないと食欲もない。しかし、方向がわからなくなってしまうため、そうは出歩けない。同じ仮設内に面倒を見る身内の方がいる。隣の部屋が空いているので越して来たいのだが許されない。市役所としては、きりがないとのこと。しかし、身内の方も体が丈夫ではい様子。それが心配である。(70才、独り暮らし、担当:小野、林、小山)
- 横浜の娘さんが来るように言ってくれるが、新幹線代がかかるし、孫に小遣いもやらなければいけないので行けない。
*散歩の途中とのこと、声をかけると「一人で話す人がいない」と言われたので予定になかったが寄せてもらった。又、「是非、来て下さい」といわれた。(79才、独り暮らし、担当:佐々木)
- 一人住まいで夜が寂しい。震災1年目は長田区の妹の所へよく出かけたが、ここ一年はあまり出かけず、住宅に引っ込みがちとのこと。(68才、1人暮らし、担当:西畑、小林、藤島)
- 精神科へも行っている。カウンセリングも受けている。眠れない。イライラするが以前よりは良くなってきた。何とかしなければ・・・。この場所からでていかねばならないのだからと毎日思っています。(74才、二人暮らし、担当:橘、佐々木、前田)
1997.2.8 訪問
- 市場で店を経営していたが、地震当日の火事で家も店も全焼。土地は区画整理に入っていて再建の予定はない。気力も残っていない。この土地の固定資産税は今でも払っている。(68才、担当:清重(智)、山田、盛本)
- みんなで畑を借りて野菜を作っています。(近くの人が畑を貸してくれている。)(53才、担当:清重(智)、山田、盛本)
- とても元気な方で、畑仕事を楽しみにしていられる。畑仕事って病気を、心を、そぎ落としてくれる。。畑に悪い病気や気持ちをおっことして、野菜はそれを肥料にしていると思う。あー畑仕事したら元気になれそうと思える。そのくらいはりのあるおじいちゃんでした。(84才、担当:西畑、加藤(純)、前田)
- 避難所で地震とわからないお年寄りがいて、寒いからコタツとか、電気をつけろとか言っていた。皆が最後には、今戦争中と言ってなだめた。学校に移ることができてから鉄筋であること、先生やみんなと一緒と言うことで安心できた。(55才、担当:吉野、山本、西、木村(茂))
- 子供が喘息、小児科のない所だが、かのこ台の仮設なら入れると言われたが、病院まで1時間以上かかり、車もないのに通院できない。断ったら、それからずーっと仮設に入れなかった。市から誠意のある対応がなく、怒りの気持ち、やりきれなさがこみ上げていた。(25才、担当:小池、内海、今井)
- 思いがけぬ激震に突然の都市計画、区画整理の網をかぶせられ、身動きならぬまま2年待ちました。イライラは募る一方です。人がすんでこそ街があるのです。そこに神戸空港の建設、消費税5%と。生活再建の足かせである消費税の軽減を。復興の邪魔をする前にやることはいろいろあるはず。選挙の時、土下座した90才の代議士の胸像を国会内の作らないとか資源の無駄使いを辞めるなど出費を押さえる改革をするべきだ。また、国はボランティアをあてにしすぎている。国会気委員も質が落ちて口ばかりで実行力の低下だけが目立つ。(61才、直筆)
- 「家賃無しでクーラーがあっていいねー」といわれたことがあるが、ここに住んで体験してほしい。そんなこと言えないと思う。被災地のことを、本当のことをもっと伝えてほしい。知ってほしい。政治家は信用できない。1人暮らしの人が多いから、話しを聞いてくれるボランティアの人達を待っている人が多いと思う。(28才、担当:長船、村田、小村)
- 住宅金融公庫の融資を受けようと思ったが、家を建ててからでないと金が下りない。それまでの自己資金がなく断念。契約金等のつなぎ資金を融資してくれるところを探したが見つからなかった。(64才、担当:川口、谷川、矢萩)
1997.2.15 訪問
- 子供が悪いことしたら、他の親でも止めた。今は学校の先生も知らぬ顔。上に立つ
人の力がなくなったのか……。これでは誰も尊敬できないし……。信用もできない。
ヘルパーさんが来てくれたり、家の者が来るから困らない。いろんな事を考え思うの
は、年のせいとケガから……。「余計にひがむ」と。(90才、1人、担当:吉野、
水戸、長船)
- 県からの貸付100万円は受け取りに手間がかかって困る。保証人云々とかも……
。もう少し基準を下げ、簡素化せよ。子供がたまに訪れるが、アテにならない。家賃
無料とはいえ、電気代がかかる。13,000円程(エアコンを使ったりするため)
で、以前の3倍!!。せっかく貯めていた貯金がどんどん減っている。(68才、1
人、担当:赤西、内海、阿部)
- 1級身体障害者。毎日が病気で寝たり起きたりの日々。1年で5回入院し、手術を
多くしている。ご主人は元気だが、夜勤がある。奥さんは、その時に自分の身体に異
常があったらどうしようという不安がとてもある。公営住宅は今まで当たらず。(6
6才、2人、担当:盛本、松下、谷口)
- 去年の暮れに障害者手帳をもらう。歩かないとふくらはぎが堅くなり動かなくなる
ので、積極的に動くようにしている。しかし、バスのステップが高すぎて乗りにくい
し、たまに地下鉄のエスカレーターが故障してたりする。もっと障害者の気持ちを考
えて欲しい。(75才、1人、担当:盛本、松下、谷口)
- 家は18坪。一部都市計画に入っている。残りの土地を市に買い上げてくれと言っ
たがダメだった。年いってからは、自分の家はもう持てない。市住希望。板宿にいい
家があったので、借りに行ったら年寄りには貸せないと言われた。(80才、2人、
担当:石川、上田、山川)
- 労働意欲があっても仕事がなく、意欲も減退してしまう。シルバーサービスは充分
な対応が望めない。ハローワーク求人情報(パート)を渡す。(62才、1人、担当
:武内、石田)
- 「友達も来ると気を遣うので来て欲しくない。行政ボランティアには期待していな
い。話を聞いてもらうといっても、同じ思いをしていないとわからない」と言いなが
ら長時間(2時間程)話をされた。やはり淋しいのだと思う。(69才、1人、担当
:尾崎、佐々木)
- 「ひとりぐらしの(住宅の)当たりが悪い。結局はややこしいところへ入れられる
」と怒り。(70才、1人、担当:小波本、海江田、貝沼)
- 土地の規制を外して欲しい。規制の必要ない場所でも規制され、家を建てられない
所がたくさんあると思う。住所変更もまだしていない。移したら帰れない気がする。
(85才、2人、担当:佐藤、羽田)
- これからも1人でいるつもり。息子さんの家へ時々遊びに行く。この場所は結構気
に入っていて、この土地に住んでもいいと思っている。(77才、1人、担当:佐藤
、羽田)
- 震災は「戦争よりも恐かった」。予告なしだから。軍需工場に勤めていた頃より不
安が多い。何よりその頃は若かったし……。戦争の時より人を粗末にしている。二度
とこんなことがあって欲しくない。(73才、2人、担当:水戸、吉野、長船)
1997.2.22 訪問
- 国が何もしてくれないことで半分あきらめている。枯れ葉と一緒で、どうにか生き
ていくだけだと。何一つ持ち出せなかったのと、これからのことが何もないのがとて
もつらいようです。でもとても前向きで、日本はめちゃくちゃで希望が持てないけど
、これからが大事だから、与えられた命を大切にしたいと。(75才、2人、担当:
白岩、木原)
- 向いの83(?)才のお年寄りが1人なので心配。若い人は公営に当たるのに、な
ぜあのお年寄りには当たらないのか。(67才、1人、担当:石川、松井)
- 旅行が好きで、あちこち出かけるけど1人では泊めてくれないところが多くて困っ
ている。京都にも何度も足を運んでいる。奥が深くて気に入っている。(60〜70
才代、1人、担当:木原、白岩)
- 日常の会話が、隣にまる聞こえ。声を落としてヒソヒソ話しているようにしている
のですが、感情のまま思うままのことを話す時は、まるまる聞こえています。何とか
壁の面に防音できるものを取り付けたい。(53才、1人、担当:丸笹、小林)
- 前回の応募にも落ちました。一人暮らしは今度もないようですが、老人が1人でも
、せめてこの仮設くらいの家には住みたいです。(85才、1人、担当:清重(智)
、寺野、林)
- 今一番の悩みは、この先の住宅のことと、自分の体のことであり、足が悪いのでこ
の先足が立たなくなり、寝たきりになると娘に負担がかかることが一番の心配事。(
77才、2人、担当:奥地、十河)
- 出てこられた時、憤りの表情でした。何か色々と不満を持たれているようでしたが
、あまり話は聞けませんでした。市や県はここで死ねと言ってるようなもの。最後に
は「ありがとう」と言っていただいた。
- 家は住めない状態なのに、役所の判断が一部損壊なので、一銭ももらえなかった。
抗議してもダメだった。くやしい。納得がいかない。市長に対して、行政に対してす
ごく怒っている。とても気丈な方のようだが、夜になると落ち込んで、「なぜこんな
目にあうのか……」と思ってしまうと涙を流しながら言われた。(74才、1人、担
当:木村、佐々木)
- 今まで順調に当たってきたので、あと1回運が来て欲しい(公営住宅)。いつでも
ここを出れるよう、荷物をまとめて待っている。母親もいつ何があるかわからない
ので、心配(今のところ元気だが)。自分もひざに水が溜まって仕事行くのも大変。
(87才、65才、2人、担当:石川、松井)
- やっと新築した家が全焼。隣の人の怒鳴り声(火事が近づいているのに、自分はあ
まりのことに座り込んで呆然としていた)で、頭がなお混乱してしまった。その時以
来、自律神経をやられてしまった。時々病気が出る。度忘れすることがある。土地は
区画整理の対象になっていて、なかなか決まらないため、嫁が待ち切れずに売却して
しまった。始末に始末して建て、やっと支払いも終わったところだった。被災の程度
により対応しない行政は不平等だ。(70才、2人、担当:山田、平野、藤田)
- 消費税のアップぐらいはがまんしたい。当然とは思った。保険も大変だし、若い人
のことを思うと、年寄りががまんするのも当たり前だ。ムダに医者にかかる年寄りの
クセも何とかしないとね。しかし税の無駄遣いは一番いかん。ここからやっつけない
とどうにもならない。(74才、1人、担当:吉野、水戸、長船)
- 主人がいたらとっくに家を建てて帰る。いないから土地も更地になったまま使わな
い。長田で生まれ育った。だけどもう帰りたくない。空気が悪いし、いい思い出がな
いから。(63才、1人、担当:石原、木村(茂)、加藤(純))
- 全財産を焼失した地域住民を安住させる方策を講ぜず、なぜ役所の得手勝手な政策
を推し進めるのか不可解です。神戸市は「空港だ」「震災記念館だ」等と自分の名を
売ることのみ考え、なぜ住民の安住した生活を第一に考えないのか。現在政策に明る
い希望がない。人口は老齢化するばかり。若い男女が真面目な結婚をし、健康な子供
をたくさん育てる希望を持つよう、政治家は考えて欲しい。住民がいてこそ国であっ
て、もっと一般善良な住民・国民を大切に考えて欲しい。欲得に走った政治家・官僚
のための国ではない。(77才、1人、自筆)
- 一度起きて再び布団に入った時、ドスンと地震が
%%%%。3日後、病院のベッドの上
で気がついた。左肩を柱が直撃、大腿部が骨盤から突き出ていた。もう死んだと思わ
れていた。3日後ヘリで大阪の病院へ移送。足を伸ばすためにオモリをつけていたが
、それを看護婦に向うずねに落とされ骨にひびが入る。地震の混乱のためか、その他
にもエライ目にあった。現在も治療
%リハビリ中で、働けないのが不安。元気な時、
十分税金を払った。市長に言いたい。わしらも仕事がしたい。道路や空港
%地下鉄を
作る前にやるべきことがある。(68才、1人、担当:大戸、星野、小林)