毎週の仮設住宅訪問からプライバシー保護を考慮して週末ボランティアでまとめたものです。
(担当はお伺いしたボランティア、自筆は仮設住宅の方が直接書かれたものです。)
4月5日訪問
- 震災当時、こけて足を悪くした。バスのステップが高くて乗れない。(73歳 夫婦2人暮らし:瀬戸、朽木、土持)
- 「一時貸付」の基準があまりにも厳しすぎる。「保証人」の基準も厳しすぎる。(本当に借りたい人が借りれない) 私たちは何も住宅再建とか長期的な貸付を求めているのではない!目先の生活のための貸付を求めているのだ。(79歳 息子2人の3人暮らし:赤西、山中(博、舞))
- ボランティアは最近来てない。(昨秋以来)来てもらえると元気がでる。今でも”待っている所、人”はあると思う。引っ越しの時に手伝って頂ける方が必要(個人的に)(74歳 夫婦2人暮らし;赤西、山中(博、舞
))
- 避難所では人間の醜い部分がいっぱい見えて、悲しくて涙が止まらなかった。 震災後 母の具合が悪くなり、介護のため勤めていた会社を辞めた。 介護をしながら住宅が当たるのを心待ちにしていたのに、先月母が亡くなり
とてもショック。(42歳 息子12歳と2人;天木、平井、盛本)
- 援助金を受けるよりも、物価が下がる方が助けになる。結局援助金のしわ寄せは
どこかに出るから。(40歳 子供2人;内藤、佐藤)
- 息子さんが出てきたが、生気のない表情でなかなか心を開いてくださらず
精神的にまいっている様子で、ケアが必要と思う。父親が帰宅。86歳とは
思えないぐらいお元気。(50歳 父親と2人;田中、保坂)
- 震災で家も全壊し、何もかも無くし、また職業の方もなくし、わずかな貯金も使いはいたし現在では身内に借金までし生活をしています。妻も病弱で仕事も行けず、私の年金も少し、生活がたちゆかなくて困っております。皆さんと一緒に力を合わせて国や県・市町村が早く被災者の皆を救ってくださるよう切にお願いします。(65歳 自筆 夫婦2人、担当:田中、保坂)
- 犬を飼っていたが亡くなり、話す相手がなく寂しい。(71歳一人暮らし、担当:青山、羽田)
- 奥さんは目を失明されている。避難所では昼間トイレへ一人で行けない為、御主人が帰られる夜まで何も飲み食いしなかった。また配給の際も見えない為、結果残りものになり、下着などに困った。住宅は御主人の会社の近くを希望したが、目が悪くても収入が少しオーバーしているのでまず無理だろうと言われた。(57歳 夫婦2人、担当:石田、寺野)
- 仕事を探しても此方からではなかなか無く、現在収入ゼロ。預金を少しづつ引き出しながら生活をしています。年金も何もないし。6月に引っ越したらお皿洗いでも何でも仕事を探したいと思ってます。待ち遠しいです。(64歳 ?人暮らし、自筆)
- 現在無職。年金もかけていた期間が短く、支給されない。今まで貯金で生活してきた。生活保護を希望したが、貯金額が50万円以下にならないと申請できないと言われた。もう少ししたら申し込むつもりだと。(69歳 一人暮らし、担当:盛本、平井、天木)
- 半月くらい前から地震の夢を見るようになった。今迄は見なかったのに。年金生活月4万円。今貯金のとりくづしでしのいでいる。子どもたちに言われ、年数万円の簡易保険を払っている。苦しい。生活保護を受けたいが土地を所有しているために現状では無理。(72歳 一人暮らし、担当:瀬戸、朽木、土持)
- 1回通院するのに、6000円前後必要になるので月に1回か2回ほどしか通院できない。現在は通院を辞めている。医療費の負担軽減を。(62歳 自筆)
- 政治家の先生方、マスコミの方々も三宮、神戸港、高速道路などのメーンの所だけを見て、復興したなんて言っているが、ちょっと一歩裏通り入れば、更地にすらぼうぼうの箇所があちらこちらにある現状をどうとらえていますか?この際とばかりに実行に移した区画整理の為に家も建てられず。財力のある人はいいが、多くの人は高齢者で、資金の点で建てられない人も多くいるのが現状です。(65歳 自筆夫婦2人、担当:青山、羽田)
- 若い頃、頭を強打。胸を切除する大手術を行い、2ヶ月半意識不明の重体になる。障害者の認定を受けるのはプライドが許さなかったが、公営住宅の当選に有利だと聞き、最近6級の認定を受ける。歩き方動作などに危なっかしく見える。仏教に救いを求めているから精神的に問題はないというが、人のぬくもりを求めているのを感じる。ただシャイなのでその気持ちを表さないでいるようだ。別れ際の玄関での握手、お互いにジーンときて心が通じたって感じです。これからも個人的に 訪ねようと思います。(47歳 一人暮らし、担当:多谷、山本、北岡)
4月12日訪問
- 好き出来た人ではないのに、西区役所でどこから来た?灘から・・・では灘区役所へ行ってくれと手荒い言葉と扱いを 受けた。話を聞き、文に表せない差別的な発言を仮設に 住んでいる人にしている実態は本当にひどいと思った。 (71歳 一人暮らし、担当:清重直、山本、本村(茂))
- 震災前に食道の手術を受け、それが原因で身体が常に痛い。 家ではほとんど寝ている。現在世話してくれる人たちがいるのでいくぶん心強いが、その方々が転居したときにはどうなるのか 先行が不安なところがある。(70代 一人暮らし、担当:瀧口、盛本)
- 震災時、近所で多くの人が亡くなったのでその事が心に残って 離れない。(?歳 2人暮らし、担当:北村、石塚、佐藤)
- 何にしても給付が65歳以上ですべての対象から外される。 一人暮らしの女性ともなれば、収入も望めず遺族年金だけでは 苦しい。せめて遺族年金で暮らしている人は、60歳から適用してほしい。(64歳 一人暮らし、担当:井出上、山本、寺野)
- 心臓が悪い。手術を受けなさいと医者から言われてるが、医療費がかかるのでうけれない。(60万+40万)かかる。時々発作が起きるが、毎日薬を飲んでる。何とか今のところは生きて行けそうである。(65歳 ?人、担当:小波本、赤松(由))
- 土木関係の職人なので将来心配。退職金・厚生年金なし。高齢者が何でも優先されるけど、若くても病気持ちなので不安。50代が一番損。何の助けも優遇措置もない。近所の人もみんなイライラしている感じ。仲のいい人が引っ越していくと寂しいし、不安になる。(58歳 2人暮らし、担当:赤西、亘)
- 巡回者(ボランティア的な役人、警官等)たまに来るが、声をかけてすぐ帰るだけ。(70歳 2人暮らし、担当:赤西、亘)
- 市営住宅の抽選は、テレビで放映して厳正に行っているとのことを証明していく必要があるのではないか。30分でも1時間でもいいではないか。字が汚い、きれいで選別されるのではないか。納得できない。仮設の人たちも疑問を抱いてる。平成10年で出ていってくれと言われても浮浪者にならざるを得ない。(60歳 一人暮らし、担当:長船、青山)
- 奥さんは再訪問に来てくれたととても喜んでいた。夫婦で話をしていても暗い雰囲気になってしまいがちでこうして来て話をするだけで気がまぎれましたと
おっしゃっていました。(65歳 2人暮らし、担当:清重(智)、山田)
- 「困ってる」って言いたくないし、絶対言わない。くさっても言わない。人に メーワクかけたくないし、だからそのかわり自分の好きなようにする。今の世界の若者はあんまり起こらなくなった。橋本総理とかあんな人にだまされたらアカン。地方自治体がムダ使いするからビンボーになる人が多くなる。(76歳 一人暮らし、担当:加藤(純)、南口、矢萩)
4月19日訪問
- 息子さんが震災前に事故にあい、身体障害者1級となってしまった。見舞いに行っても彼を見るだけで血圧が上がり倒れそうになる。一緒に住めそうもないので一人でここに住んでる。だんな様も15年前に亡くし、一人暮らしは慣れていると。(66歳 一人暮らし、担当:丸笹、津田)
- 生活保護は自分の土地が売れる見込みがあるので受けれない。また子どもたちが自分の権利を主張するので自分の意志で売却できない。一人暮らしで寂しい。周囲にすごく気を使って住んでるような感じで、精神的にまいっているようです。(64歳 一人暮らし、担当:小林(好)、矢萩)
- 95歳の実母を65歳の娘が介護。デイサービスも利用したが、かえって体調が悪くしたので辞めた。保健婦さんは2ヶ月に1度来る。ストレスがピークに達している様子。自分がダウンしたらどうしようという不安を持っている。現在の福祉では共倒れになるしかない。(95歳 65歳の2人暮らし担当:小林(好)、矢萩)
- 母親の遺伝で体中にイボが出来る。病気によって離婚をせざるを得なかったし、病気によって他人からいろいろつらい目にあわされてきたのだ と思う。それで神経がまいり頭痛がひどいのだと思う。近所の人がよく世話してくれる。ありがたい。住宅は申し込んでおらず、最後の最後までここにいますと。(66歳 一人暮らし、担当:中村、山本、清重(直))
- 政治家・役所の一部の人が悪いことばかりしていて、開いた口がふさがりません。また今の世の中は恐いくらいに変わってしまいました。子供達を1人で外へ出せないのですから。雨の降る夜は特にわびしく、啼きます。年とって体が弱くなったせいでしょうか?21世紀を見てから死にたい。いや、75歳まで長生きしたのだからと思ったり、これの繰り返しです。(75歳 一人暮らし、担当:加藤、阪井、片山)
- 菅原市場で商売してたが、帰りたくでも区画整理に入っていて無理だろう。商売もあきらめた。(70歳 一人暮らし、担当:赤西、奥塚(明、朋子))
- 夫は去年亡くなった。(注:去年訪問時69歳、あしなが育英会に寄付したいと言っていた)近所の人が親切で他の所に住むと親しい人と離れるのが寂しい。(65歳 一人暮らし、担当:小波本、林、西ノ上)
- 何年も税金をとられているのだから、行政にそれなりの事をしてもらうのが当たり前ではないか。被災者というのはやめてくれ。我々は行政から見捨てられた民である。(65歳 2人暮らし、担当:小波本、林、西ノ上)
- これまでも訪問の中でも最高に明るい雰囲気が味わえた。前向きな姿勢に感銘を受け、また周りの人に対する思いやり、感謝の気持ちの大切さに改めて気づかされました。その中で積極的・精力的に仮設住人の為に活躍されてる方の(71歳)話を伺い、ただただ関心、感動するばかりでした。(担当:木村(茂)、岡)
- 心臓が悪く、入院をくり返している。労災病院に通っていたが救急車がここからだと行ってくれない。また重度障害者2級でずっと労災病院に通っていたから、その近くの仮設に移りたいと区や市にも要求したが、だめだった。「老人や障害者を守ります」と選挙運動してるくせに本当にあきれてします。公営は家族用の住居がほとんど。市は仮設での孤独死を待っているようだ。(68歳 一人暮らし、担当:寺野、坊寺、岡本)
- 西神ニュータウンが出来た時ここへ道路を作りに来た。”こんな所に誰が 住むんやろう?”と思っていたのに自分が住んでいるなんて・・・・。戦争中22日間も太平洋の海の上で飲まず食わずで過ごしたが”あの頃は国のために”という目標があったから何も恐くなかった。今の方がずっと心細くて恐い。(68歳 一人暮らし、担当:寺野、坊寺、岡本)
- 要望(1)県警音楽隊 機会があれば是非きかせていただきたいです。ずっと以前にこられた折りは留守にしていて残念に思います。(2)衣類(外出着になるもの)のバザーを少し高くても結構ですので。また食器なども有料でお願いできたらと思います。(3)仮設住宅を出ていきましても淋しいので電話にてボランティアの方が週にたとえ10分〜15分でもお声を聞かせて頂けたら、心のオアシスになることと思います。(69歳 一人暮らし、担当:中村、山本、清重(直))
- 一人暮らしで身よりもなく、とてもさみしい思いをしてるのに頑張って生きているのを感じた。時折話の合間に涙をうかべていたがボランティアが来たことを喜んでくれた。別れ際も何度も頭を下げていられた。(84歳 一人暮らし、担当:木村(俊)、清重(智))