11月6日
[復興住宅]
- 最近怪しげな訪問者が多く、警戒している。薬品・高額なマット・浄水器(20万位)・ふとん等…を販売に来る。保険でも、配当金を売り物にした会社がよく訪ねて来る。名札等、身分の分かるものがなければ、極力追い返すようにしている。この付近に自動販売機(たばこ・ジュース)がないから、作ってくれ!。(74歳男性、一人暮らし、担当:赤西、福本)
- 万歩計を付けており、歩き足りないと思う時は努めて歩くようにしている。今日は息子が来てくれ、さっきまで近くの公園を散歩してきた。息子達は家が近いので、よく来てくれる。セールスは時々薬売りなど来るが、インターホン越しに断っている。〈念の為、介護保険詐欺に注意のチラシをお渡しし、説明する。来年90歳になられるとの事だが、本当にお元気そうでした〉。(89歳女性、一人暮らし、担当:井手上、矢萩)
- 高血圧や痛風になりかけた事もあるが、薬を飲んでいるので、大丈夫です。娘は、朝早く出勤し帰りは晩遅いので、ほとんど話す事がない。掃除・洗濯・買い物などは、全て私がこなしています。「老眼大学」(60歳以上を対象に、歴史・文化等の教養講座が月2回)では、色んな話が聴け、友人にも会えるので…毎回楽しみにしています。6月にボランティアからいただいた鉢植えは、夏の間中きれいな花をたくさん咲かせてくれ、とても嬉しかった。空襲で家も財産も失い…着のみ着のままで四国の実家に帰り、神戸に戻れるまで夫と7年間の別居生活があり、辛い思いをした。金など持たなくても、ほどほどでいい。(83歳、2人暮らし、担当:井手上、矢萩)
- 書道を教えに週1度、市街地まで行っている。自分は50を過ぎてから軽い気持で習い始めたが、ここまできた。50〜60歳ぐらいの生徒を相手に話をするが、自分より若い人と話をしないと…。2年前に妻が亡くなったが、せめて…この住宅で見送りたかった。警報機などの使い方が分からない。←後日、説明に伺う予定。(83歳男性、一人暮らし、担当:柏木、辻野)
- この夏はビールもよく飲んだし、オーストラリア産のステーキ肉を2日か3日ぐらいの割合で食べていた。家の事を片づけたら、雨が降ろうが出掛ける。買い物でもカートを使わず、買い物かごを下げ店内を歩きます。健康だから出来るのですが…。気になる事は、地下鉄で若い人が年配の人に席を譲らない。また、女性をおばあちゃんとかおばさんとか呼ぶのは失礼です。気持はいつも若くいたいのですから…。(83歳女性、一人暮らし、担当:赤西、福本)
- この住宅は気に入っています。コープへ歩いて出掛け、帰りはタクシーを利用している。茶話会・食事会などのイベントにも、必ず参加しています。今日初めて、デイサービスにも行って来ました。介護保険の手続きはLSAの人にお願いした。〈お年を感じさせないほど、お元気でした〉。(77歳女性、一人暮らし、担当:矢萩、辻野)
- 仮設の頃の方が、話し相手が多かった。外を散歩するのが好きで、医者からも「リハビリの為歩きなさい」と言われている。買い物を兼ね、西神中央まで50分かけて歩く事もある。昨年3月頃から耳鳴りがしだして、耳鼻科に通院中。市街地に帰るつもりだったが、ここが当たった。今はこの環境に満足している。〈一人暮らしの方も気軽に参加できる催しが、もっと必要なのでは…と思った〉。(71歳男性、一人暮らし、担当:白岩、川口、林田)
[仮設住宅]
- 生活再建本部を仲介し、住宅を探している。病院の都合上、もと住んでいた地区を希望しているが、昨日…市の人が来て「希望がかなえられそう」との事。近日中に、よい知らせがあるのでは?。(58歳女性、一人暮らし、担当:柏木、辻野)
11月13日
[復興住宅]
- 全盲に近いが、作曲活動を続けている。一番重要なのは金やけど、その次に大事なのが『心を癒す』こと。〈作曲した『つる』などを歌って頂き、曲作りの背景や関連するお話も伺った。音楽や芸術を通し、表現者の輪が広がればいいなと思った〉。(62歳、2人暮らし、担当:長船、中澤)
- 近所に話し相手がいない。でも一人暮らしには慣れており、それほど寂しくない。人工透析の為、週3回通院している。透析は5時間横になったままで、トイレにも行かれない。翌日は、体がしんどい。でも受けなかったら、一週間以内で死んでしまう。(?歳女性、一人暮らし、担当:中澤、長船)
- 良い所に住めましたが、やはり買い物に時間がかかります。寝たきりの母(88歳)がいるので…。市街地に住んでいた時のように、用事が一度に終わらせる事が出来ず、残念です。いつも心にして頂き、有り難く思っております。(52歳、2人暮らし、本人自筆)
10月中旬、母が危篤になったが、何とか持ち直した。介護で母を抱きかかえての移動が多い為、両腕が痛く…物をぶら下げて持てない。名谷のダイエーは、店内のカートを駐車場(車)まで持っていけず、とても不便。入居当初は色々なセールスが来て大変だった。玄関からどんどん居間まで上がり込む人もおり、在宅時もカギを閉めておくように言われたのが、よく分かった。〈『火事・救急は119』のステッカーと介護サギのチラシをお渡しすると、「母の救急の際、110番へかけた事があって…貼っておきます。ありがとうございます」とお礼を言われた〉。(担当:矢萩)
- 足の付け根のリンパ腺が腫れ…しばらく入院していたが、今度は胃が悪くなった。父親が胃潰瘍で亡くなっているので、悪くならないよう、周囲に迷惑をかけないよう治していきたい。娘が時々車で来てくれ、買い物に連れていってくれる。(78歳、2人暮らし、担当:矢萩)
- 2日に1回は、三宮・元町方面へ足を運んでいる。たった今も総合運動公園に行って来たところだ。よく外出をするのは、うつ病を防ぐ為。三宮・元町は、地震前を知っている者にとってめまぐるしく変わってきている。(?歳女性、一人暮らし、担当:亀井、鹿島、矢野)
- 住宅内行事は色々行われているが、仮設住宅仲間でかたまってしまい、話すチャンスが出来にくい。食事会で食べ物を口からこぼしたり…普通に動けないので行きにくいという方の為、お弁当を部屋まで届けてくれたら有り難い。以前紹介してもらった散髪サービス(1,900円)を利用しています。ようやく近所の方一人と仲良くなり始めた。〈以前に比べ顔色がよくなられ、声も大きく感じられたが、体重は余り増えていないようだ。予告チラシと『火事・救急は119』のステッカーを、お友達にもとお渡しする〉。(72歳女性、一人暮らし、担当:福井、白岩)
- 仮設で色々と無理したせいか、こちらに来てから…心臓を悪くした。でもじっとしていると、かえって良くないので、名谷駅付近の割と平らな所を、少しずつ歩いてみようと思う。区役所からボランティアが週2回見に来てくれる。食事会のお弁当は量も味付けも丁度よく、450円の価値はあると思う。ここは近所付き合いもいい。隣の奥さんは入居した時から、よく面倒をみてくれる。私も隣の男性が具合悪いようなので、ベランダからちょくちょく見るようにしている。〈来週お花を届けましょうかとお聞きすると、「花は好きだが、ここでは日差しの関係で育たない」と残念そうに言われた〉。(64歳女性、一人暮らし、担当:佐川、矢萩)
- 胃を半分、内臓もあちこち切っている。結核で右肺も3分の1切除。週3回点滴を打ち、何とか元気になるがそれでもしんどい。病院へ行くのは、半日仕事だ。保健婦さんが月1回訪問してくれる。近所付き合いは結構ある。でも楽しみは特にない。元気になったらやりたい事は色々あるけど…。(66歳男性、一人暮らし、担当:佐川、矢萩)
- 〈先週、警報機の使い方が分からないという事なので、説明に伺う〉。各部屋にある警報ボタン等を確認すると、一旦押した警報を玄関にある解除ボタンで取り消しできるようになっていた。時々テストするようにと書かれていたので、その旨と操作方法を伝える。但し警報ボタンを押した際、この棟全体に鳴り響くのは分かるが、緊急の連絡先がどこになってるのかは不明。←住宅供給公社へ確認すると『あんしんS』が設置されており、取扱説明書も入居時に渡してますとの事。後日訪問し、緊急時に身内へ通報できるよう、電話機が設置されているか確認する予定。(83歳男性、一人暮らし、担当:鹿島、矢野)
[一般公営の空き家募集入居者]
- 胃の手術をし、2日前に退院したところ。起きあがるのもしんどい。〈…との事で、すぐ帰りました〉。(73歳、2人暮らし、担当:福本、辻野)
- 『ケアライン119』を設置してもらったが、使い方が分からない。同じくペンダント型の物も渡され、「外出する時は、必ず持って出掛けて!」と言われたけど、ボタンを押したらどうなるのか?←NTTへ確認すると、ペンダント型を使用できる範囲は、親機から100m以内との事。後日ご本人へ、説明に行ってくれるよう約束する。実行されているか、再度確認を取る予定。あの時地震で死んだ方が楽やった。完全に生き埋めになってたからな。4時間ぐらいで助け出されたが、隣の人は即死だった。もうすぐ5年、あっという間でした。(67歳男性、一人暮らし、担当:猪上、赤西)
- 母(90歳)が、退職金としてもらった100万円を、姉が銀行に入れていた。ところが姉が亡くなり、どこの銀行に入れてたのか…通帳などもなく、分からない。〈お母さんはその事をかなり気にしておられた〉。私も詳しい事は知らず、とりあえず心当たりの銀行に行ってみたが、だめだった。でも、また探してみます。母は耳が遠く、肩凝り・膝痛などあるが、内臓は元気。食欲もある。〈『火事・救急は119』のステッカーをお渡しする〉。(59歳、3人暮らし、担当:福本、辻野)
11月20日
[復興住宅]
- 腰痛で電気をかけているが、あとは悪いところはなく元気です。近所とは挨拶する程度で、特に親しい付き合いはない。孫達がよく来てくれるし、外出もよくするのでストレスはたまらない。(76歳女性、一人暮らし、担当:柏木、矢萩)
- ここに住んでいて要望といえば、『買い物が不便なので、それを解消できないか』という事。移動販売(八百屋)が来るが、いつ来るのか曜日や時間が分からない。コープの個別配達は体が動かなくなったら利用するつもり。(75歳女性、一人暮らし、担当:赤西、寺口)
- 脚を痛め、名谷駅の病院へ通っているが、2時間待ちはしんどい。(70代女性、一人暮らし、担当:赤西、寺口)
- 公営での行事には、できるだけ参加するようにしているが、親しく話せる人がなかなかできない。朝もラジオ体操にも行き、できるだけ人と話すよう心掛けている。夫の仕事(左官)はほとんどない状態で、生活は苦しい。朝早く長田へ行き、奉仕のような形で仕事をしてくる。そのうち仕事になると思って…。(65歳、2人暮らし、担当:柏木、矢萩)
- ここはペット禁止だが、飼っている人がいて、よくベランダからネコが侵入し窓にぶつかっている。ペットがいる為か、ノミが多く、隣近所で申し合わせ、バルサンを焚いたところもある。階上からゴミを投げ捨てる不心得者もいる。(73歳、2人暮らし、担当:矢野、福本)
- バイクの音がうるさかったが、最近警察の取り締まりがあったのか、静かになった。食事会やふれあい喫茶があり、楽しい。移動販売も月曜から金曜まで来てくれる。(75歳女性、一人暮らし、担当:矢野、福本)
11月27日
[復興住宅]
- ここにきて3ヶ月、生活にも慣れた。家は日当たりも良く、ゆったりとしている。交通の便も良く、待ち続けた甲斐があったな…と思う。でも非常ベルが1カ所しか設置されておらず、押しても玄関前のランプがつくだけ。人通りも少ないので、本当に誰か気付いてくれるのだろうか?。仮設の方が賑やかで良かった…。明日から集会場で喫茶店が始まるが、行かないと思う。隣の人とも、あまり話さない。以前、親切な人がゴミ当番を代わってくれたが、「あんた何甘えてんの!」と怒る人がいて困った。あまり考えないようにしているが、やはり気になる。最近血圧が上がってきた。(67歳女性、一人暮らし、担当:柏木、白倉)
- 母は震災以来、目・耳が悪くなり…痴呆の症状も出てきた。デイサービスへ週2回通っているが、来年4月から導入される介護保険では、出費が増える事に…。今はどうこう困る事はないけど、何にしても意欲がわかない…。仕事を探さなければと思っても、母の介護があるので…。涙が出そうな時もあります。母をホームにでも…と思うけど、1〜2年待たなければなりません。また、面倒みきれなかった…と、後悔をしたくない気持ちもあります。毎日、4時間くらいの睡眠時間です。この震えはアルコールのせいでしょう。年金も少なく、母を送ったら、もうどうにでもなれと思っています。仮設にいる時は『公営への入居』という希望があったが、今は何もする事がない。母も歌が好きでしたが、ここに来たら歌わなくなりました。仮設では、ボランティアの訪問も頻繁にあったが、今はない。(51歳、2人暮らし、担当:鹿島、柴原)
- ここはいいですよ。仮設より広いし…。でも震災時より、今の方が苦しんでいます。夫が亡くなり、息子は県外の高校におり、一人ぼっちです。身体も弱り、仕事(土・日にある)の疲れが、なかなかとれない。今は自分一人で頑張らねばならず、夫が生きていてくれたらと思います。新婚時に買ったタンスは傷だらけだけど、思い出の品で捨てられません。ここに来てからも、布団で何度も泣きました。でも姉に怒られるんです。「いつまでもクヨクヨ考えて…」と。引っ越しなど、東京のボランティアさんに大変お世話になりました。(56歳女性、一人暮らし、担当:鹿島、柴原)
- 〈テレビのチャンネル設定を依頼され、映るようにしたところ、大変喜ばれた〉。水墨画を描いたり、植物を沢山育てている。またカラオケ教室やいきいき仕事塾にも行っている。仮設では、隣の方が夜中にわめいたり、壁を叩いたりして苦痛だった。体調が悪くなり、救急車で2回運ばれた事も…。その方が昨年9月に引っ越したのでホッとしたら、行政から追い立てられ、11月に一時待機で転居する事に。その家も、震災でよくつぶれなかったと思うほど…ひどい所だった。公営に来てからは安心したのか、夏から4kg体重が増えた。『ケアライン119』を設置しており、『安心カード』も所持しています。(60代女性、一人暮らし、担当:赤西、矢萩)
- 58歳の時、脳梗塞で3年半入院。現在も後遺症の為、左半身がマヒしている(車椅子を使用)。また胆石・糖尿・狭心症があり、障害2級である。前回退院した後、しばらく施設にいたが、全盲の夫婦が歩道橋を渡っている姿を見て、自分も頑張ろうと思い自立した。週2回ヘルパーさんが来てくれ、ボランティアの男性もよく来てくれる。火曜からはデイサービスも利用する予定。この辺は、外食する所が少なく不便。でも何とか暮らせるので、それほど不満はない。ただ神戸空港を作る金があるなら、もっと福祉にお金を使ったらと思う。〈外部の人と話す機会がないからと、訪問を喜んで頂きました〉。(69歳男性、一人暮らし、担当:矢野、小田)
[仮設住宅]
- 健康上のトラブルが多く、今でも口腔整形外科など4ヶ所の科へ通院している。他に住んでいる人もおらず、しかも両隣まで解体が進んでいる。通院の事を考え、公営入居を考えていたら、こんな結果になってしまった。こうして自分だけ取り残されてみると、とても寂しいし、また物珍しそうに見られ…とても嫌だ。市から仮設転出を強く勧められている。もうすぐ、引っ越しになると思います。〈ご本人は完全には了解されていないご様子でした。翌日、電話があり「月曜日にカギを受け取りに行く事になった。留守の間に解体業者が外に出ている荷物を持っていったらどうしよう」とのご相談。時間がないので、とりあえずすぐ伺う。ロープで荷物を固定し、目に付く所に『荷物を持っていかないで下さい』と書いた段ボール紙を貼る作業をした。「ありがとうございます。火曜日には引っ越しになると思います…」と言われていた〉。(60歳女性、一人暮らし、担当:白岩)