12月4日
[復興住宅]
- 母(95歳)は、もう5年も入退院を繰り返しているが、週1回は見舞いに行くようにしている。仮設と違い、部屋はすごしやすく…不自由はない。歌が好きで、仮設ではカラオケ大会で優勝した。〈今日は“花”や“カチューシャ”などを歌われ、訪問をとても喜んで頂いた〉。(58歳男性、一人暮らし、担当:白倉、小波本)
- 建材や接着剤などの臭気には敏感。公営でもベランダの換気扇を回しているが、空気の対流が悪く玄関の扉を少し開けている。ぜんそくを患っているが、1日20〜25本のタバコは止められない。ここは買い物が不便。近所で建設中の建物があるが、何だろう?。スーパーでも、できるといいのだが…。妹夫婦が近くにおり、行き来している。ボランティアも、週1回訪問してくれる。でも、家ではテレビを見るくらいしか楽しみがないので、できるだけ人と話しをしたい。(77歳男性、一人暮らし、担当:日西、井手上、矢萩)
- ツタの枝で輪や扇を編み、花などを差してクリスマスや正月用のリースを作っている。作品のヒントは東急ハンズの広告などから得ており、材料は山や野原にある植物を取って使う。仮設の時は近くに市所有の山があったので調達が楽だったが、ここでは勝手に取れる場所がないので難しい。妻は宝くじの外れ券を使い、フクロウの置物を制作中。人にあげ、喜んでもらえるのが嬉しい。それに、手仕事をしていると気が紛れるし…。妻は震災後足が不自由になり、しばらく車椅子の生活だったが、今は手押し車で歩けるようになった。私達が出る時、残り3〜4軒だったので、入居を心待ちにし…何回もここを見に来た。仮設を出るまでの半年は長かったが、公営での半年はあっという間だった。(84歳、2人暮らし、担当:井手上、矢萩)
- 年齢制限で落とされ、なかなか職が見つからない。三宮の職安に行く交通費が、往復1,000円かかり大変だ。心身共に滅入ってしまう。地震直前に職場トラブルがあり辞めたが、結局退職金ももらわずじまいだ。(44歳、3人暮らし、担当:柏木、矢野)
- この場所は騒音がすごく、空気も悪い(カーテンが真っ黒になる)。右肺の一部を切除しているので、定期的に通院し、点滴を受けている。状態は良くなったり、悪くなったりだ。世話をしてくれる人がいる…。余り迷惑をかけないようにしてるが、いざという時には、頼らせてもらおうと思う。〈震災の事など、色々と話して下さった。『安心カード』と『ケアライン119』のステッカー、『まけないぞう』を差し上げた〉。(73歳男性、一人暮らし、担当:福本、辻野)
12月11日
[復興住宅]
- 住み心地がよく、とても満足しています。段差がないし、何よりも家賃が安く、日当たりもいい。何かあった時の事を考えて、近所の方に合い鍵を預けている。今まで病気をした事がなく、精神的には40代!。『友達ができない』と、嘆いていてもダメよ。自分から考えていかないと。〈「同じ仮設の方が多く、心強い。」と言われていたが、「長く引き留めてゴメンな。今日誰ともしゃべってないから…。またいつでも来て下さい」と話された。生け花が趣味だとの事で、部屋のあちこちにお花が飾ってありました〉。(75歳女性、一人暮らし、担当:柏木、白倉)
- 息子は、『しあわせの村』にある作業所へ、バス・地下鉄を乗り継ぎ通っている。しかし車椅子なので、朝7時13分のバスに乗れなかったら、作業所へは…もう行けない。スーパーや銀行がないので、不便。(67歳、3人暮らし、担当:臼井、福本)
- 三橋美智也・美空ひばり・東海林太郎が好きで、よく聴いている。〈何曲か歌われ、「たくさん持ってるから」と5〜6本のテープを頂く。写真を撮るのが趣味との事で、加西のフラワーセンターや金閣寺の写真を、飾っておられた〉。(71歳男性、一人暮らし、担当:臼井、福本)
- 震災前からの…親しい友人が、私の近くに住みたい、近所の公営へ転居した。ところが引っ越しなどの心労が重なったのか、入居後10日位で病に伏し、3週間前に亡くなってしまった。元気な人だったので、信じられない。ショックで何もする気になれなかった。でもクヨクヨしても仕方ないと思い、新年用に龍の絵(色紙に布を貼る)を作り始めた。少しずつ立ち直ってきていると思う。仮設で手芸を覚え、色々な物を作っています。近所に甥がおり、行き来はよくしている。〈製作中の龍の絵を見せて頂いたが、その時の表情は生き生きとされ、作るのが楽しくて仕方ないという印象を受けた〉。(70代女性、一人暮らし、担当:曽我、矢萩)
- 2年半前にタクシーを降りる時、腰を扉で打ち…痛めた。階段を下りる時が、不安。兄弟はおらず、親しい身内もいない。でも長田に友達がいるので、正月には遊びに行くつもり。ここではお隣と話すくらい。文句は色々とあるが、言ってもキリがない…。戦争に行ったので、ちょっとくらいの事ではこたえない。酒は好きだが、飲み過ぎると胃腸に良くないので、断酒するなど…自分で調整している。〈『火事・救急は119』と『安心カード』を、お渡しした〉。(71歳男性、一人暮らし、担当:曽我、矢萩)
- 遺伝性の糖尿病で、心臓もよくない。公営に来てから、左膝が悪くなり、おまけに玄関先で転び…左手も腫れている。救急用の手帳は持っていますよ。訪問看護婦が週2回来てくれ、買い物もしてくれる。運動をしなくてはと、いつも玄関前の通路を行ったり来たりしています。また月1回は、板宿まで買い物に行ったり、友達に誘われ遊びに出掛ける事も…。行事には参加してません。食事会の時も、お弁当を届けてもらいます…。また来て下さいね。(70代女性、一人暮らし、担当:曽我、矢萩)
- 今年の6月、体に水が溜まり入院。また9月にはガンが発見され、再入院し、先月退院したばかりです…。放射線治療で火傷をし、抗ガン剤で毛が抜けた(震災前にも、ガンで入院した事がある)。月に一度は病院へ通うが、体重も回復、顔色も良くなってきた。買い物や洗濯等は自分でやっています。また上の階に住んでる友人が…毎日様子を見に来てくれ、隣の方も親切です。ただ、それ以外の近所付き合いはありません。孫(20歳)の花嫁姿を楽しみに生きているようなものです。〈と言われたが、病気を感じさせないぐらいお元気。靴や服もたくさん持っておられ、おしゃれで意欲的な方でした〉。(66歳女性、一人暮らし、担当:佐古、辻野)
- 元気でいられるよう、なるべく歩いています。首が悪く…整形外科にかかっている以外は、特に問題はないです。仮設の延長みたいなのが嫌で、余り…近所付き合いは、したくない。でも、行事にはなるべく参加するようにしていますが…。10月に換気扇の訪問販売が来て、「隣もやってますから」と上がり込み、フィルター(10枚入り・4,000円)を買わされた。「隣も…」と言われたら、断れない。「12月に、点検に来ます」と言っていたが、その時は断るつもり。今日、駅前で週ボラのレクチャーを聞き、訪問販売注意のチラシを見て…『なるほど』と思った。仮設で、主人を亡くしました。週ボラにも訪問してもらい、色々とお世話になりました。(68歳女性、一人暮らし、担当:曽我、矢萩)
- 肝臓病から足が悪くなり、杖を使用しています。公営に移転してから、急に悪化した。被災後、大阪と京都にいる姉妹の家で世話になり、そこからここへ入居しました。近くにいる甥と行き来はあるが、公営での付き合いは…余りない。言葉遣いが丁寧すぎて、つきあいにくいと言われるが、そんな事言われても…。(70歳女性、一人暮らし、担当:曽我、矢萩)
12月18日
[復興住宅]
- 共益費と家賃が、別払いになっており、不便だ。一緒に引き落としてもらいたいのだが…。駅からのバスは、本数が多いけど、利用客も多く…いつも混んでいて、困っている。〈後日、利用されているバス停を通る、他のバス路線を詳しく調べ、お伝えする予定。『安心カード』と『火事・救急は119』のステッカーをお渡しする〉。(78歳、2人暮らし、担当:長船、柏木、福本)
- 上の階より『コンコン』と音がし、気になって寝られず、心臓もますます悪くなり、入院をした。最近は音が減ったので、少し…ホッとしている。上の部屋の人には、会ったことがない。〈私達が調べに行ったが…表札もなく、人が住んでいる気配もなかった〉。県外に住んでいる子供が「一緒に住もう」と言ってくれるが、小さい孫の面倒をみる自信がない。もう少し、自分の体力に自信がついてから…と思っている。(60代女性、一人暮らし、担当:小田、赤西)
- 腰の骨がずれており、長時間立っていられず、長くは歩けない。働きたいが、こんな状態では仕事も限られてくる。家で、できる仕事を探しているが、今時なかなかない。この棟は『準シルバー世帯』となっているようだが、LSAや福祉の方達があまり来ない。高齢者などの要訪問世帯が、かなり住んでおられるのに…。震災時の『心のストレス』は、今になっても…出てくるんですね。〈と、涙ぐまれておられた〉。(50代、?人暮らし、担当:赤西、小田)
12月25日
[復興住宅]
- 古い文化住宅は一部損壊で、雨漏りやドブの臭いが上がってくるなどしたが、家賃が安いので、我慢してきた。昨年友人から聞き、一般公募で市住に申し込んだが、なかなか当たらなかった。2ヶ月前、ようやくこちらへ、転居する事ができた。知らない土地という事もあり不安だったが、今はとても満足している。しかし物価が高い…。今日は整理ダンスを動かしてくれて有り難う。これで部屋を、片づける事が出来る。ここでは友人がいないので、こんなにしゃべったのは初めて。(70代女性、一人暮らし、担当:海老瀬、小林(弘))
- 一人暮らしで身寄りがない為、急に倒れた時が心配。また、生活上何か問題があった時や、体調を崩した時等の相談先・問い合わせ先(電話番号)がよくわからない。〈『支援者ノート(神戸市発行)』の必要と思われる所にマーカーを引き、『安心カード』と一緒にお渡しした〉。(70代女性、一人暮らし、担当:矢野、赤西)
- 福祉振興協会のヘルパーとして週3回、中央区の市民福祉交流センターへ行ってます。交通費が結構かかるので、回数券を購入し、やりくりしています。元気でやっていますが、そのうち皆さんのお世話になるかもしれませんね…。(60代女性、一人暮らし、担当:長船、矢萩)
- 足・腰も丈夫で、毎朝ラジオ体操に参加し、朝8:00〜11:00頃まで散歩をします。息子3人が近所に住んでおり、3日おきに来てくれるので、安心や。1年半前から入院している妻の所へは、みんなが交替で見舞いに行っている。入居して5ヶ月だが、すっかり慣れました。ラジオ体操で顔なじみもでき、寂しくない。また静かなのもいい。〈耳が少し遠いようでしたが、お元気でした〉。(85歳男性、一人暮らし、担当:長船、矢萩)
- 仮設では人とのつながりがあったのに、今はあまりない。でも隣の方とは、仲良くしています。今日はお隣も交え、皆さんと賑やかにお話しすることが出来、「聖しこの夜」や童謡も一緒に歌え、喜んでいます。楽しいひとときをありがとう。〈大正琴も弾いて頂いた。1万円ぐらいのキーボードを購入したいとの事。1月8日、お留守の為、キーボードのカタログをポストに入れてきた〉。(78歳女性、一人暮らし、担当:丸笹、小波本)
- 2年前に乳ガンを患い、抗ガン剤を投与中の為、副作用で鼻が利かなかったり、味が分からなかったりする。風邪もひきやすく、今は右手がむくんでいる。口内炎のせいか…入れ歯が入れにくく、しゃべりづらい。チラシを折って貼り合わせ、白鳥やふくろうなどの置物を作っており、人に教えたりもする。知り合いが多いので寂しくはないが、ただ病気の時が心配。玄関に16時間動きを感知しないと、異常を知らせるセンサーはあるが、16時間も動かなかったら…死んどるわ。〈『安心カード』はすでにお持ちだったので、『火事・救急ステッカー』をお渡しする〉。(60代女性、一人暮らし、担当:松宮、辻野、矢萩)
- ここでお友達になった方が、たくさんおり、互いに部屋へ行ったりもする。でも買い物が不便。それに暴走族がうるさい。生活相談委員に健康や生活上の事を相談に行ったら、「65歳以上の人でないとダメです」と断られた。誰に相談すればいいのだろう?。(64歳女性、一人暮らし、担当:松宮、辻野)
- 杖をついて歩いているので、人とぶつかると転びそうになる。立ち上がるのが辛いので、玄関のチャイムに出ない事も…。非常ベルを押しに行くのも、辛い時がある。電話は、20回以上鳴らして欲しいと、みんなに言っている。電球が切れたら付け替えて欲しい。〈代表の電話番号を、お伝えしました。コープの配達システムのチラシ・『安心カード』などもお渡しする〉。(53歳女性、一人暮らし、担当:松宮、辻野)
- 特に困る事やお手伝いして欲しい事はないが、誰かの手を借りたい時は、突然やって来る。私のように、高齢でも比較的元気な者は、ボランティアや行政も廻ってこない。そのうえ近所は、留守(仕事)や空き家が多い。悪質な訪問セールスが多いので、この付近では、わざとインターホンの電源を切ったり、居ないふりをする者もいるんですよ。(75歳女性、一人暮らし、担当:矢野、赤西)
- 仕事が、なかなか見つからない。神戸市の募集している仕事へ申し込みをしたが、年末に返事が来る予定だ。仕事が決まったら、以前住んでいた地域へ戻りたい。親しい友人達がいる場所、そこが死ぬ場所と考えているので…。ここでの自治会作りは、なかなか難しい。でも外部に救済を求めるのではなく、住民同士が協力し、助け合う事が必要と思う。〈LSA室でお話を伺う。LSAは毎日2時〜5時までおられるとの事〉。(60代、2人暮らし、担当:赤西、鹿島)
[市街地仮設住宅]
- この仮設は、他とは違うらしく、1月31日まで居れるとの事。自宅の引き渡しは1月24日なので、大丈夫でしょう。仮設間移転(12月初め)の際、こちらは狭いので、荷物はトランクルームに入れました。ここでも、母親に見放され弱っていた、3匹の仔猫を拾い、猫15匹と犬1匹となりました。あと1ヶ月、もう少しの辛抱です。小さいけど、自宅も再建できる。だから皆さん…安心して下さい。今まで勇気づけてくれてありがとう。〈同仮設には、ご本人を含めて2軒入居しておられた。また徒歩10分の、再建中の自宅も、見せていただきました〉。(66歳女性、一人暮らし、担当:辻野)